
「HIITと筋トレ、どちらも取り入れると逆効果にならないの?」そんな疑問を持つ人も多いでしょう。短時間で脂肪燃焼や体力アップを狙えるHIIT(高強度インターバルトレーニング)は、筋トレと組み合わせることでより効率的なボディメイクが可能になります。
ただし、順番や頻度を誤ると、筋肉がつきにくくなったり疲労が抜けにくくなったりすることもあります。目的や体力に合わせた正しい組み合わせ方を知ることが、理想の体を作るための近道です。
この記事では、HIITと筋トレを併用するメリットや効果を高めるための方法、注意すべきポイントなどを解説します。トレーニングの質を上げたい人は、ぜひ参考にしてください。
HIITと筋トレを組み合わせるとどうなる?

HIIT(高強度インターバルトレーニング)と筋トレを組み合わせると、脂肪燃焼・筋肉維持・心肺機能の向上を同時に狙える効率的なトレーニングになります。短時間でも高い運動効果を得られるため、忙しい人でも続けやすいのが特徴です。
ただし、目的によって適した順番や強度が異なり、誤った組み合わせ方をすると、筋肉がつきにくくなったり疲労が蓄積したりすることもあります。
ここでは、HIITと筋トレを併用する際の基本とその効果を詳しく解説していきます。
結論:目的に合わせた順番と頻度で効果が変わる
HIITと筋トレを併用する際に最も重要なのは、目的に合わせて順番と頻度を正しく組み立てることです。脂肪を落としたい場合はHIITを先に行うことで、心拍数が上がり脂肪燃焼のスイッチが入りやすくなります。逆に、筋肉を増やしたい場合は筋トレを先に行うことで、筋肉へのエネルギー供給を優先できます。
どちらの目的であっても、週に3〜4回程度が理想的です。筋肉の成長や回復には休息が欠かせないため、休息日を確保しながら継続することで、安定した成果を得やすくなります。体の反応を見ながら無理なく調整していくことが、長く続けるためのコツです。
HIITの基本と筋トレとの主な違い
HIITは「高強度運動」と「短い休憩」を繰り返すトレーニングで、心拍数を一気に上げて脂肪を効率的に燃やします。代表的な形式は「20秒全力+10秒休憩」を8セット行うタバタ式です。心肺機能を強化しながら代謝を高められるのが特徴です。
一方、筋トレは筋肉を収縮させて負荷を与え、筋繊維を刺激することで筋力や筋量を増やすトレーニングです。HIITが全身を動かす動的な運動であるのに対し、筋トレは特定の部位を重点的に鍛える静的な運動といえます。
両方を組み合わせることで、筋力・持久力・代謝のすべてを底上げできる点が大きな魅力です。筋肉を増やしながら脂肪を落とす「引き締まった体」を目指す人には、最も効果的な組み合わせといえます。
HIITと筋トレを併用する主なメリット
HIITと筋トレを両立することで得られるメリットは多岐にわたります。特に、筋肉を落とさずに脂肪を減らせる点が大きな魅力です。HIITによってエネルギー消費量が増え、筋トレで基礎代謝を高めることで、太りにくく痩せやすい体質を作れます。
HIITと筋トレを併用する主なメリットは次の通りです。
- 脂肪を燃やしながら筋肉量を維持・増加できる
- 短時間でも高い運動効果を得られる
- 基礎代謝が上がり、日常的な消費カロリーが増える
- 心肺機能と筋力の両方を強化できる
- 集中力が高まり、トレーニング効率が向上する
特に、時間の確保が難しい社会人や学生にとっては、1回のトレーニングで複数の効果を得られる点が大きなメリットです。
また、HIITで心拍数を上げてから筋トレを行うことで、筋肉への血流が増え、パフォーマンスも上がりやすくなります。目的に応じて順番や時間を調整すれば、より効率的に理想の体づくりが可能になります。
HIITと筋トレを両立させるコツ

HIITと筋トレを効果的に両立させるには、強度や時間配分、そして回復のリズムを意識することが大切です。どちらのトレーニングも体に負荷をかけるため、無計画に続けると疲労が蓄積し、結果的にパフォーマンスが下がってしまうこともあります。
特に初心者〜中級者の場合は、体のコンディションを観察しながら強度を調整することがポイントです。無理のない範囲で継続できる計画を立てることで、トレーニングが習慣化し、長期的に効果を実感しやすくなります。
ここでは、HIITと筋トレをバランス良く続けるための実践的なコツを紹介します。
- 目的に合わせて順番と時間配分を決める
- 週単位での頻度を調整し、休息を確保する
- 栄養補給と睡眠を重視して回復を促す
これらのポイントを意識することで、トレーニングの成果を安定的に引き出せます。
ここからは、それぞれの要素を詳しく解説していきます。
効果を高めるための順番と時間配分
HIITと筋トレを同日に行う場合、順番と時間配分の工夫によって得られる効果が大きく変わります。脂肪燃焼を目的とするなら、筋トレの後にHIITを行うのが最適です。筋トレで糖質(グリコーゲン)を使い切った状態でHIITを行うと、脂肪がエネルギーとして使われやすくなります。一方で、筋肉を増やしたい場合は筋トレを先に行い、エネルギーを筋肉の成長刺激に集中させましょう。その後に軽いHIITを追加することで、代謝を高めながら脂肪の蓄積を抑えられます。
トレーニングの時間は、筋トレが45〜60分、HIITが10〜20分ほどを目安にすると無理なく続けやすくなります。運動の前後には必ずウォームアップとクールダウンを取り入れ、ケガを防ぐことも忘れないようにしましょう。
週のトレーニングスケジュール例(初心者〜中級者)
無理のない頻度を決めることは、継続する上で欠かせません。週4〜5回のトレーニングを目安に、筋トレとHIITを交互に行うことで疲労を溜めにくくなります。
以下は初心者〜中級者におすすめのスケジュール例です。
- 月曜:上半身の筋トレ+軽めのHIIT
- 火曜:休息またはストレッチ中心のリカバリー
- 水曜:下半身の筋トレ
- 木曜:HIIT中心(全身を動かす種目)
- 金曜:休息
- 土曜:全身筋トレ+短時間のHIIT
- 日曜:完全休養
このように週に2〜3回のHIITを組み込むことで、心肺機能の向上と体脂肪の減少を両立できます。
また、筋トレの内容を部位ごとに分けて実施することで、疲労を分散させやすくなり、効率よく全身を鍛えられます。スケジュールを固定化するよりも、体調や目標の変化に合わせて柔軟に調整することが大切です。
疲労を残さない休息とリカバリーの工夫
トレーニングの成果を引き出すには、休息と回復の質を高めることが欠かせません。HIITも筋トレも体への刺激が強いため、しっかりとリカバリーの時間を確保することで筋肉の修復が進み、次のトレーニングのパフォーマンスが向上します。
休息日には軽いストレッチやヨガ、ウォーキングなどを取り入れると血流が良くなり、疲労物質の除去が促されます。加えて、6〜8時間の十分な睡眠をとることで成長ホルモンが分泌され、筋肉の回復や脂肪代謝がスムーズに進みます。
また、食事面ではトレーニング後30分以内にタンパク質と炭水化物を補給することが理想です。回復力が高まることで、翌日のトレーニングにも良い影響を与えられます。しっかりと休むこともトレーニングの一部と考え、継続できるリズムを整えましょう。
目的別に見るHIITと筋トレの活用法

HIITと筋トレの組み合わせは、目的によってアプローチの仕方が異なります。脂肪を落としたいのか、筋肉を増やしたいのか、あるいは体力を底上げしたいのかによって、最適な順番・頻度・メニューが変わります。自分の目的に合った方法を選ぶことで、同じ時間でも得られる効果が大きく変化します。
ここでは、代表的な3つの目的別に具体的な組み合わせ方を紹介します。
脂肪を落としたい人におすすめの組み合わせ
脂肪を減らしたい人は、「筋トレの後にHIIT」を行うのが効果的です。筋トレで体内の糖質を消費した状態でHIITを行うと、脂肪が優先的にエネルギーとして使われやすくなります。これにより、筋肉を維持しながら効率よく脂肪を燃やすことができます。
1回のHIITは10〜15分程度が目安で、週に2〜3回の実施が理想的です。短時間でも強度を意識して取り組むことで、心拍数が上がり、運動後も脂肪燃焼が続く「アフターバーン効果」が得られます。
おすすめのHIITメニュー例
脂肪燃焼を目的とする場合は、全身を使う動きで大きな筋肉を刺激することがポイントです。運動後も代謝が上がり続けるような種目を選ぶと、より高い効果が期待できます。
- バーピージャンプ:20秒 × 8セット(全身運動で高い脂肪燃焼効果)
- マウンテンクライマー:20秒 × 8セット(体幹を強化しつつ代謝アップ)
- ジャンプスクワット:20秒 × 6セット(下半身を中心に刺激を与える)
- プランクジャック:20秒 × 8セット(腹部の引き締めにも効果的)
息が上がる強度を保ちつつ、動作の正確さを意識しましょう。フォームが崩れるとケガにつながるため、体調に合わせてセット数を調整することが大切です。
相性の良い筋トレメニュー例
脂肪を落とすためには、HIIT前に「全身の大筋群」を使う筋トレを行うと効果が高まります。大きな筋肉を動かすことで消費エネルギーが増え、代謝が上がりやすくなります。
- スクワット(太もも・お尻・体幹を中心に刺激)
- デッドリフト(背中と下半身を同時に鍛え、姿勢改善にも有効)
- ベンチプレス(胸・肩・腕を広く使い、上半身の引き締めに効果的)
- ラットプルダウン(広背筋を刺激し、上半身のシルエットを整える)
全身の大筋群を動かすことで血流が良くなり、HIIT時に酸素供給がスムーズになります。セット間の休憩は短めにし、テンポよく進めることで心拍数を保ちやすくなります。
筋肉をつけたい人におすすめの組み合わせ
筋肉量を増やしたい人は、筋トレを中心にしながらHIITを補助的に取り入れるのが効果的です。HIITを多くしすぎるとカロリー消費が増えすぎて筋肉の合成が追いつかなくなるため、週1〜2回程度がちょうど良いバランスです。
筋トレを最初に行って筋肉をしっかり刺激したうえで、最後に軽めのHIITを加えると、代謝を上げながら脂肪を抑え、引き締まった印象に仕上げられます。
HIITを取り入れるタイミング
筋肥大を目指す場合は、筋トレ後に10分程度の軽いHIITを取り入れるのがおすすめです。筋トレでしっかり負荷を与えた後に短時間の有酸素運動を行うことで、体脂肪を抑えつつ筋肉の輪郭を際立たせられます。
トレーニング後に疲労を強く感じる場合は、HIITを別日に行っても問題ありません。その際は、体を動かすリズムを維持できるように低負荷で行うと、コンディションを保ちながら継続できます。
食事・プロテインの工夫
筋肉を増やしたい人にとって、栄養補給はトレーニングと同じくらい重要です。特にトレーニング後30分以内の食事は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、筋肉の修復と成長が最も活発になります。
高タンパク・適度な炭水化物・良質な脂質を意識し、鶏むね肉や魚、卵、玄米、オートミールなどをバランス良く摂取しましょう。プロテインはトレーニング直後に摂ることで、筋肉の回復をサポートし、筋肥大を促進できます。
さらに、水分補給も忘れずに行いましょう。体内の水分量が減るとパフォーマンスが落ちるだけでなく、筋肉の合成効率も低下してしまいます。
持久力を高めたい人におすすめの組み合わせ
持久力を向上させたい人は、心肺機能と筋持久力を同時に鍛えることがポイントです。HIITは短時間で心拍数を上げられるため、スタミナを効率的に養うのに向いています。筋トレでは、軽めの負荷で回数を多く行うことで筋持久力を強化できます。
HIITを先に行って体を温め、その後に筋トレを行うと、より自然な流れで全身を動かせます。週2〜3回の実施を目安に、強度よりも継続を意識して取り組みましょう。
おすすめの組み合わせ例
持久力アップを目指す場合は、以下のような組み合わせが効果的です。
- HIIT:ジャンピングランジやスプリントなど動的な種目を20秒 × 8セット
- 筋トレ:プッシュアップ(腕立て伏せ)、スクワット、プランクなど軽負荷で20回 × 3セット
HIITで心拍数を高めた状態から筋トレを行うことで、酸素の利用効率が上がり、筋肉の持久力が鍛えられます。
強度を上げすぎず、呼吸を乱さずに継続できるレベルで行うことが大切です。習慣化することで、日常生活でも疲れにくい体を作ることができます。
HIITと筋トレを併用する際の注意点

HIITと筋トレを組み合わせることで、多面的な効果を得られますが、やり方を誤ると疲労が溜まりすぎたり、筋肉が成長しにくくなったりすることもあります。特に、強度が高いトレーニングを頻繁に行うと、体の回復が追いつかずに逆効果となるケースもあるため注意が必要です。
安全に、かつ長期的に成果を出すためには、「休息」「順番」「栄養」の3つを意識することが重要です。
ここでは、併用時に気をつけたいポイントを具体的に解説します。
やりすぎによるオーバートレーニングを防ぐ
HIITと筋トレはどちらも体への負荷が大きいため、両方を詰め込みすぎるとオーバートレーニングに陥りやすくなります。過度なトレーニングは、筋肉の損傷が回復する前に再び刺激を与えることになり、結果的に筋肉量の低下や慢性的な疲労につながるおそれがあります。
これを防ぐためには、週に1〜2日は完全な休養日を確保することが大切です。疲れを感じる日には、思い切ってトレーニングを休むか、軽いストレッチやウォーキングなどのアクティブレストに切り替えると良いでしょう。
また、睡眠の質を高めることも重要です。十分な睡眠をとることで成長ホルモンの分泌が促され、筋肉の修復がスムーズになります。しっかりと休むことが、結果的にパフォーマンス向上につながります。
目的に合わない順番・頻度を避ける
HIITと筋トレを組み合わせる際、目的に合った順番で行わなければ、効果を十分に発揮できないことがあります。
例えば、筋肉を増やしたい人がHIITを先に行うと、筋トレ時にエネルギーが不足し、筋肉に十分な刺激を与えられなくなる可能性があります。反対に、脂肪を減らしたい人が筋トレを先に行いすぎると、HIITで持久力を発揮できず脂肪燃焼効果が下がることがあります。そのため、自分の目的を明確にして、順番を計画的に決めることが大切です。
また、頻度にも注意が必要です。毎日行うと体が疲弊しやすく、かえって効率が落ちることがあります。週3〜4回のトレーニングを目安に、体調に合わせて強度や回数を調整することで、継続しやすくなります。
食事と栄養補給を軽視しない
トレーニング効果を最大限に引き出すためには、食事と栄養補給のタイミングも欠かせません。特に、HIITと筋トレを併用する日は、筋肉のエネルギー源となる糖質と、修復に必要なタンパク質をしっかり補うことが重要です。
トレーニングの前にはバナナやオートミールなどの軽い糖質を摂ると、エネルギー不足を防ぎ、集中して取り組めます。終了後30分以内にはプロテインや鶏むね肉、卵などを摂取することで、筋肉の回復と成長をサポートできます。
また、水分補給も忘れてはいけません。運動中は体内の水分が失われやすく、脱水状態になると代謝が落ちてパフォーマンスが低下します。こまめに水やミネラルを補い、体調を整えることで、より高い効果を引き出せます。
フォームと体調を常に意識する
HIITと筋トレはいずれもフォームが崩れるとケガのリスクが高まります。特にHIITはスピードや回数を重視しがちですが、フォームを維持できる範囲で行うことが最も重要です。筋トレでは重量を無理に上げるよりも、正しい姿勢で筋肉に効かせることを意識しましょう。
また、体調に違和感があるときは、無理をせずに中止する勇気も必要です。疲労感や睡眠不足が続くときは、一時的にトレーニングを減らし、休息期間を設けることでコンディションを整えやすくなります。
体の声を聞きながら無理のない範囲で続けることが、長く成果を出すための最も効果的な方法です。
まとめ|HIITと筋トレを組み合わせて理想の体へ
HIITと筋トレを組み合わせることで、脂肪燃焼・筋肉増加・心肺機能の向上といった複数の効果を同時に得られます。時間が限られている人でも、効率よく理想の体に近づけるトレーニング方法といえるでしょう。
ただし、効果を最大限に引き出すためには「目的に合った順番」「無理のない頻度」「十分な休息」の3つを意識することが大切です。筋肉をつけたい場合は筋トレを優先し、脂肪を落としたい場合はHIITを後に行うなど、目的ごとに順序を工夫することで結果が大きく変わります。
また、継続するためには体調管理も欠かせません。休息日をしっかり取り、バランスの良い食事と良質な睡眠で回復をサポートすることで、トレーニングの質が高まりやすくなります。トレーニングは「やる気」よりも「続ける仕組み」が重要です。自分のペースを大切にしながら、少しずつ積み重ねることで確かな変化を感じられるようになります。
HIITと筋トレの両立は決して難しいことではありません。正しい方法を理解し、自分に合ったリズムで続けていけば、体は確実に応えてくれます。今日から小さな一歩を踏み出して、理想の体づくりを楽しみながら進めていきましょう。